良い食器は、良い土から、といわれています。土に恵まれない英国では、仕方なく、その代用品として羊の骨を粉砕したものを土に混ぜたボーンチャイナが生まれました。イタリアでは、ボーンチャイナの世話になることもなく、リチャードジノリのような、すぐれた窯が長い歴史を誇っています。
リチャードジノリは、なんといっても「白」に特徴があります。高温で焼き上げた硬く、密度の濃い焼き上がりには、土らしいグレートーンの肌のやわらかさがあります。ボーンチャイナでは決して出すことのできない、土らしい「白」なのです。
広く知られた「イタリアン・フルーツ」の柄も、描き手の個性の違いだけでなく、時代と共に徐々に変化しています。食器を購入する時は、ひとつひとつ実際に手にとって選ぶことを忘れないでください。同じように見えるフルーツ柄も、それぞれが異なった表情を持っています。あなたが気に入らない柄、というのもいくつかあることでしょう。お店の在庫だけでは、気に入ったものの数が揃わなかったら、残りは次の入荷まで待ってから選ぶくらいの余裕を持ってください。
手描きの食器は、間違っても通販などで購入なさらないことです。
(手描きだけでなく、ミントンやウェッジウッドといったプリント柄のものであっても、色あい、縁取りの太さ、全体の仕上がりにかなりのばらつきがありますから、実際に手にとって選ぶことをおすすめします。)