みなさんに、足利がワインの名産地という認識はないでしょう。そのとおり、足利はワインの名産地ではありません。しかし、ここでこんなすごいワインが出来ています。
私は、良いワインのための第1条件は、葡萄生産者の考え方、熱心さ、勤勉さ、謙虚さにあると思っています。林檎や梨でも、同じ土地、同じ畑、同じ気候、同じ苗からそだった樹であっても、お百姓さんによって出来が全然違います。毎朝4時に起き出して黙々と果樹の世話をしていた農夫が作った梨は濃厚で味わい深く、機械化した片手間耕作の梨は月並みです。
いくら優れた醸造家が指導したとしても、収穫された葡萄の質が良くなければ、こんなワインを作るのは無理です。そして、すぐれたワインになる葡萄は、過酷な環境と勤勉な農夫のもとででしか育ちません。ココファームの経営母体であるこころみ学園は知的障害を持った人たちの施設です。彼らの勤勉さがここのワインに命を与えています。
この樽と看板の目印を過ぎたら右折、遠くに見える斜面が葡萄畑(左)。
要所要所には案内板がある(右)。