ROVERという英国車ブランドが作った最後のクルマです。2000年末に日本からディーラーが消滅し、イギリス本国からもROVERというブランドもなくなると知って、その後の保守の困難さを覚悟の上で急いで購入しました。以後、16年間にわたって同じ型式、同じ年式のクルマを2台乗り継ぐという酔狂をやったわけですが、それほどに心から惚れ込んだクルマだったということになります。

クラシックなデザインにもかかわらず、古さを感じさせず、上品なシルエット、内装は素晴らしい質感があり、全く手抜きのないその仕上がりは他のよりお値段の高い高級車に全く見劣りしないものでした。ROVER 75は長時間のドライブでも疲れない不思議な乗り心地と優れた高速安定性を持つ一方で、都心をゆっくり走った時の落ち着いた雰囲気の両方を持っていました。

寄る年波には勝てず、2016年の夏にこのクルマを降りることになりましたが、おそらく私の人生で最も長く乗ったクルマになると思います。