Hotel
仙台ホテル
仙台駅前

最近は、どの街でも立派でおしゃれなホテルの開業ラッシュです。古くから営業しているホテルに比べて、客室は広いし設備は立派できれいです。歴史あるホテルも、今や難しい岐路に立っているような気がします。

仙台ホテルは、創業も古く、格調と由緒のかたまりみたいなホテルです。従って、建物はやや古く、客室は広くありません。ですから、このページに取り上げられているからといって「きっと良いホテルだ」と思って無闇に出かけないでください。このページ全般にいえることですが、すべて私や我が家の趣味で選んでいます。世間一般の常識は通用しない世界なのだということを心にとめておいてください。

はじめてこういうホテルを訪れる時は、少々の覚悟がいります。シングルで一泊12,000円(1998.6当時)というのも、この地域にしては割高です。あなたがこのホテルの何を買うか、でホテルの評価は大きく変わります。

限られた客室面積、ちょっとクラシックな設備、廊下の調度、そういったなかにそこはかとなくこのホテルの格調というものが感じられます。メインダイニング「フォンテーヌブロー」の客あしらいはなかなか素晴らしいものがあります。味も立派です。中庭の眺めも。驚いたのは支払いの方法でした。いわゆるレジというものがないのです。きょろきょろしていたら、入り口脇のソファを勧められました。ソファに座ってサインするしくみだったのです。

フロントで、時刻表を借り、ソファに座ってあれこれ調べていました。すると、そこにさっとメモ紙とペンが手渡されたのです。フロントマンのこうした気遣いはなかなか教育できるものではありません。

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2009年12月31日、古くからのファン達に惜しまれつつ、創業嘉永3年(1850年)の仙台ホテルは159年続いた歴史を閉じました。


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