本機では球の配置が、左から、整流管--出力管(左)--出力管(右)--ドライバ(左)--ドライバ(右)
というあんまりよろしくない順序になっています。左右の球が、互い違いに配列されてしまっているのです。
そのため、シャーシ内部での左右チャネル間のストレーキャパシティが生じており、高域でのクロストーク悪化の原因をつくっています。高域でのクロストーク悪化は、音の品位にかかわりますので部品配置には気をつけましょう。
シングルアンプは、原理上、電源インピーダンスによる超低域のクロストークの悪化に弱いという宿命を背負っています。本機では、この問題を解決するために、トランジスタによるリプルフィルタを採用しています。そのため、20Hzでは何とか60dBを保っていますが、10Hzでは52dBまで悪化しています。