私のアンプ設計マニュアル / 工具と製作編
回転部品の実装の知恵 (ロータリースイッチ、ボリュームの取り付け)

回転止めのツメ

パネルに取り付けるロータリースイッチやボリュームなどの回転部品は、時間とともにナットが緩んでガタついてきます。ナットで締め付けただけですと、本体ごと回転するようになってしまいます。そのため、ロータリースイッチやボリュームなどの回転部品には必ずといっていいくらい回転止めのツメが出ています。ツメの位置に合わせてパネル側に穴を開けておき、そこにツメを噛ませることで力がかかっても部品が回転しないようにするわけです。

右下はミニワッター汎用シャーシの前面パネル部分ですが、アルプス製RK27タイプのボリュームに合わせて穴を開けてあります。このような1枚パネルの場合、穴が外から丸見えになります。ツマミが大きくてうまく穴を隠せればいいのですが、小さなツマミだと穴が見えてしまいます。


サブパネル、サポート金具

<パネルに穴を開けたくない>

内側にもう1枚サブパネルを追加します。メーカー製のアンプはほとんどがサブパネルを使っています。サブパネルを使わないでもっと簡単に済ましたいのであれば、画像のようなサポート金具を使うといいでしょう。このようなサポート金具は製品化されていませんのでホームセンターなどでアルミの棒材を買ってきて自作します。私は、幅20〜25mmで厚さ2〜3mmのアルミの棒材を使っています。製作のこつとしては、先に穴を開けておき最後に切断することです。先に小さく切ってしまうと穴あけの時にうまく固定できませんしドリルが噛んで回転してしまいとても危険です。サポート金具に両面テープをつけてからパネルに取り付けてナットで締め付ければしっかりと固定できます。


ネジ山が当たってツマミが浮く

ボリュームやロータリースイッチを薄い1枚パネルに取り付けると、ネジ山部分がパネル面から5〜6mmほど飛び出します。大型で懐が深いツマミであれば出っ張ったネジ山部分はツマミに隠れてくれますが、懐が浅い小型のツマミの場合はツマミがパネル面から浮いてしまいます。特にALPS製のM型ロータリースイッチはネジ部分が太い(9mm径)のでツマミでは隠しきれないことが多いです。

この問題を回避したい場合も上記のようにサブパネルを使ってボリュームやロータリースイッチを沈める方法が有効です。サブパネルが使えない場合は、上記のサポート金具が有効です。

もうひとつの解決策として、ツマミ側を削ってしまう(座ぐりという)方法もあります。下の画像ツマミは懐が浅いというより、懐が全くない面一なのでツマミが思い切り出っ張りますので、穴の周囲を円錐状に削りました。これで少しはましになります。


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