私のアンプ設計マニュアル / 半導体技術編
トランジスタ増幅回路その1
(トランジスタ増幅回路の基礎・・・エミッタコモン、ベースコモン、コレクタコモン)

トランジスタ増幅回路の3つの基本回路

トランジスタを使って増幅回路として動作をさせる時、3本足のうちの1つが入出力共通の基準点となり、残った2つのうちの1つが入力、もう1つが出力になります。エミッタ、ベース、コレクタのいずれを入出力共通の基準点とするかによって、それぞれ

  • 「エミッタコモン(共通)回路」
  • 「ベースコモン(共通)回路」
  • 「コレクタコモン(共通)回路」
と呼びます。これらはそれぞれ「エミッタ接地回路」、「コレクタ接地回路」、「ベース接地回路」という呼び方で習った方も多いと思いますが、回路の使い方で必ずしもアース(接地)しないで使うため、混乱を避けるために徐々に「接地回路」ではなく「共通回路」と呼ぶようになりました。

各回路方式の大雑把な違いを以下にまとめておきます。

エミッタコモン回路ベースコモン回路コレクタコモン回路
使用頻度
電圧利得大きい大きい1以下
電流利得大きい1以下大きい
入出力の位相逆相(逆転)同相(変わらない)同相(変わらない)
入力インピーダンス中くらい低い高い
出力インピーダンス高い高い低い
帯域特性中くらい広い広い
入出力直線性悪い悪い良い
安定度中くらい中くらい低い


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