ご覧の画像の茶器は京都二条の一保堂さんのものです。一保堂さんがお店で使う汎用の茶器なので煎茶茶碗にしては少し大きい、という微妙なサイズですが、我が家では主に煎茶茶碗として愛用しています。これを手に入れるお話はこちらにちょこっと書いてあります。
問題は、手ごろな茶托がないということです。煎茶茶碗お茶托・・・というと、遠い記憶をたぐると錫器が浮かび上がってきます。私の実家にも、かみさんの実家にもそういうものは普通にあったのですが失われてしまいました。容易に買えなくなるとわかっていたらもっと大切にしていたのに・・・・。都内のあちこちをあたりましたが、漆塗りのものはあっても錫器がまったくありません。一体、どこに行ってしまったのでしょうか。
さて、話は変わって、友人のKご夫妻が我が家の新築祝いに何かをくださることになりました。かみさんはすかさず「茶托が欲しいのです。できたら錫製のが」とお願いをしたのでした。K氏は日本中を探し回ってくださったようですが、ある日、とれもうれしそうな声で連絡がはいりました。京都に1軒だけ今でも作っている工房があるというのです(日本にはすくなくともあともう一軒あるようです)。そして実際に足を運んでみてこの店なら納得できる、というのですが「はたしてどの茶托が我が家の好みに合うのか判断しきれない、できたら京都まで足を運んで目で見て確かめてもらえないだろうか」という話になったのでした。
あいにく私もかみさんも都合がつかず、結局、その判断はムスメに託すことして、一保堂の茶碗を持たせて新幹線で京都まで行かせたのでした。当日、K氏が京都駅までクルマで迎えに来てくださり、一緒に茶托の品定めをして無事帰宅したのでした。そして、今、我が家にはこの清課堂の園式の茶托があるというわけです。