本音爆裂・神経逆撫
師匠と弟子のROVERドライビング講座1.下手糞運転いろいろ 2000.9.17
2.ブレーキング 2000.9.28
3.子供 2001.2.19
4.トラックの気持ち 2001.6.11
5.高速道路 2004.11.工事中
同乗者の心理
運転が上手いといわれるドライバーは、周囲のさまざまな人が、今、何を考え、どう感じているかを察知できる能力が高いといわれています。彼の前方を走行している車のドライバーの心理、彼を追い越そうとしているドライバーの心理、停止している彼の車の前の横断歩道を渡っている親子連れの心理等々を察知できる能力です。そして、ドライバーに対してもっともきびしい評価を下すのが同乗者。その同乗者の心理を察知できる能力です。同乗者に運転経験がある場合、あなたがブレーキングして減速するたびに、彼(または彼女)も、心理的にブレーキングをしているかもしれません。そういう時、同乗車は、あなたのブレーキングのタイミングに不安を感じています。そういう時、あなたは運転技術について、同乗している同乗車から十分な信頼を得ることができないでいる可能性は高いのです。
どういう場合に、信頼を失うのかというと、あなたがまだ気づかないでいることを、同乗者が先に気づいてしまう、という状況が何度も起こったときです。同乗者は、あなたに代わって、安全確認をしなければならない、と思い始めているかもしれません。
右ハンドル車の場合、助手席と運転席とでは明らかに情報量が違います。運転席にいる方が、先に情報が飛び込んで来ますし道路全体の状況を把握しやすくなっています。あなたは、ほんのちょっと注意力を発揮するだけで、同乗者よりも先により多くの情報を得ることができるのです。
なのに、何故、同乗者が先に気づいてしまうのでしょうか。多くの場合、予知能力に差があるとそういうことが起こってしまうのです。
予知システム
あなたが、俊敏さに自信があり、とっさの素早い対応能力に優れているとしましょう。きっと、人よりも数分の1秒程度動作が速いのです。しかし、状況の予知ができる人の場合は、1秒、2秒という単位で先読みをすることができます。つまり、少々の俊敏さに欠けていても高度な予知能力を持ったドライバーは、あなたよりも1秒も2秒も余裕がある運転ができるのです。動作の俊敏さで補える時間差はせいぜい数分の1秒です。状況の予知による1秒、2秒にはとてもかないません。しかも、状況予知による運転動作はゆるやかなもので済みますが、動作の俊敏さによる運転動作は常にぎこちなさを伴います。
優秀といわれるドライバーは、すぐれた予知システムを備え持っています。その予知システムを支えているのが、前述した「周囲のさまざまな人が、今、何を考え、どう感じているかを察知できる能力」なのです。
予知は大人のゲーム
十分な先読みができると、運転に非常な余裕が生まれます。あなたが、何気なく左に車線を変更したとします。同乗者は、何故、あなたがそんなことをしたのかわからないでいますが、やがて、道路工事の車線制限に出会います。あなたは、さっき、高架部分を通過した時に、はるか前方の道路工事に気づいていたからです。ゆるい坂を登り詰めながら、あなたの方が前を行くバンよりもほんのわずか先にブレーキングを開始し、やがて停止しました。同乗者は、何故、あなたがそんなことをしたのかわからないでいますが、今停止したばかりのバンの前には横断歩道があり、幼稚園児がぞろぞろと横断しているところでした。あなたは、坂を上り詰めた際に、バンと道路のわずかの隙間から、前方の状況を察知していたからです。
このようなことが数回起こることによって、同乗者は、あなたの運転技術を信頼するようになります。
実際、あなたの行った車線変更は余裕を持ったスムースなものであったに違いないでしょうし、ブレーキングはほど良いタイミングが得られていたでしょう。何よりも、ドライビングそのものがスピーディだと思います。スピーディさというものは、スピードの速さで得られるものではなく、良いタイミングとスムースな動きから得られるものだからです。
これを支えているメカニズムが予知システムです。予知ができるためには、精神的に大人でなければなりません。予知は、大人だけができるゲームなのです。
* * *
- 前を行く路線バスの中で、立ち上がる人がいたら、そろそろバス停に着くのではないかと考える。
- バス停に路線バスがいたら、そのバスに乗ろうとして道路を走って横断してくる人がいるのではないかと注意する。
- 対向車線で路線バスがバス停に着いたら、そのバスを追い越そうとした車がこちら側の車線に飛び出してくるかもしれないと注意する。
- 停留所で停止したバスは、そこで時間調整のためにすぐに発車しないかもしれないと考える。
- 空車のタクシーは、いつ、停車するかもわからないと注意する。
- タクシーのお客が車内で運転席側に乗り出していたら、迷っていて突然右左折するか、または、もうすぐ目的地に到着・停止するのではないかと考える。
- 空車のタクシーが公園脇で停車したら、そこにはトイレがあると考える。
- タクシー待ちの人がいたら、反対車線のタクシーがいきなりUターンすることもあると考える。
- 高速道路の出口付近で、こちらを追い越した車がいたら、その車は追い越し車線から一気にいちばん左側の車線まで移動するかもしれないと考える。
- 風の強い日の高速道路。カーブの先には、いろいろな物が落ちていると考える。
- 高速道路の見通しの悪い急カーブの先には、きっと、渋滞の最後部があるものと想定する。
- 歩道に犬が見えたら、その犬は鎖でつながれているか、自由な状態であるかを注意する。
- 道路に子供が飛び出してきたら、その後に続いてもう1人2人飛び出してくるかもしれないと考える。
- 買い物帰りのご婦人が荷物を満載した自転車で歩道を走っていたら、そのまま車道側にあっけなく転んでくるかもしれないと考える。
- 路肩に停車している車のアンテナがするすると伸びたなら、そろそろ発進するのではないかと注意する。
- 立体交差の手前では、右折のために慌てて右から左に車線変更する車がいるのではないかと注意する。
最近思うこと
- 左右に揺れる車
- 運転しながら携帯電話をかけている時、車は左右に振れている。居眠りしている車も振れる。運転しながら本を読んでいるの場合は、ページをめくるたびに振れるのでその周期は一定している。酔っ払いの場合も一定の周期がある。女の子といちゃついている車・・・これは不規則。ただのへたくそ運転の場合も振れる。いずれの場合も、接近してはならない。
- 雪が降ったら
- 車間をたっぷり開け、無闇に停止しないで、とろとろ走ること。下り坂では、特に車間を開け決して停止しないこと。上り坂では、前の車が坂を登りきれずにバックしてくることを想定すること。できるだけ坂道を避けること。特に、雪道でまともな挙動ができないFR車やRR車には近づいてはいけない。上り坂では、坂を登りきる直前でタイヤは空転するので、最後まで油断できない。
- 歩行者の不注意
- 運転免許を取得する前と後では、道路を横断する時の、歩行者としての私の左右確認のしかたが大きく変化した。取得前は、1回の左右確認で道路を横断していたが、取得後は、横断しながらも何度も確認するようになった。ドライバーに比べて、歩行者は自分を守ることにあまりに不注意であり無関心である。
- 煽る
- ドライバーの性格だと思うけれど、車間を詰めて、煽るように走行するドライバーはあまりに多い。こっちの車が頑強なポンコツ車だったら、急ブレーキを踏んでやろうと思ってしまう。下品な運転の最たるものであろう。
- 対策・・・基本的には、そういう馬鹿者にはさっさと道を譲って安全を確保するのが正しい。・・・が、それが嫌で何か一発かましたい時は、ROVER 75コニサーだったらまず、リアサンブラインドを上げる。これで相手からはこちらの正体がわからなくなる。リアフォグランプ・ビーム攻撃する。これは案外眩しい。さらに、ウィンドウォッシャー攻撃食らわす。50km/h以上出ていれば、ウォッシャー液は敵を直撃する。では、成功を祈る。
- ランプ切れ
- ランプ切れの車の多さには驚かされる。ブレーキ灯の確認は、信号待ちなどで後続車からの反射を利用すれば、運転しながらでもできる。ウィンカーの点灯確認も同じ。できれば、自宅のガレージに反射板を取りつけて、人の助けを借りずに運転席に座ったままで点灯確認ができるような工夫が欲しい。簡単なことである。
- 駐車
- 狭い駐車場に車を入れる際、一旦、車から降りて確認している人がいる。不精をしないで、自己の感覚を過信しないで、実際に車から降りて周囲の確認する行為は賞賛に値する。どんなに経験を積んでいても、?と思ったら車から降りて、自分の目で確認するのが優秀なドライバーである。
- 信号機のない横断歩道
- 信号機のない横断歩道で、横断しようとしている歩行者のために停車する車は滅多にいない。何故か。それは、ドライバーが歩行者に気づいた時には、もう、停止するには手遅れであるからだ。つまり、前方確認がちゃんとてきていない、先読みができていないのだ。早いタイミングで歩行者に気づき、無理のないブレーキングで停止できるような優秀なドライバーになりたいと思う。
- カンガルー・バー
- 英国では、カンガルー・バー(別名:殺人バー)装着車両の任意保険加入は拒否されているという。カンガルー・バーのついた車に側面衝突されたら、あなたの車に装着されているいかなる安全装置も意味をなすことなく、あなたは即死する。あんな不謹慎なものが路上を走っていると思うと、ぞっとする。しかし、自らすすんでカンガルー・バーをはずしたオーナーというのを、いまだ聞いたことがない。
- フロント・フォグランプ
- 霧でもないのに、常時、フロント・フォグランプも点灯している車が非常に多い。おそらく、フォグランプの目的や特性を全く知らないのではないだろうか。対向車や歩行者にとって、どれほどまぶしく危険なものであるか、わからないでいるのだろう。
- ハイ・ビーム
- 市街地でハイ・ビームのまま走行する問題児がときどきいる。自分のハイビームが相手にとって目潰しとなって危険な状態になっていることに気づいていない。
- エンジン・ブレーキ
- 通常、エンジン・ブレーキは2つの車輪によって制動がかかり、フット・ブレーキでは4つの車輪によって制動がかかる。さあ、一体どっちの方が安定した制動が得られるだろうか。どっちの方が、ブレーキの効きを正確にコントロールできるだろうか。凍結した路面だったら、あなたはどちらを選びますか。ちなみに、エンジン・ブレーキではABSも効きません。エンジンブレーキ過信は禁物。ブレーキパッドの摩耗をけちってはいけない。
- (昔のブレーキは左右の制動バランスが悪かったから、凍結路でそういうブレーキを使ったらスピンしてしまう。エンジンブレーキはメカニズム的に常に左右の制動バランスがとれているから、凍結路や雪道で推奨された。しかし、現在の車のブレーキはそういう問題はなくなった。)
- ブレーキ・ライト(ストップ・ライト)
- ブレーキ・ライトは、急ブレーキでも、緩やかな減速でも、つきかたは同じである。ということは、前の車との車間を極端に詰めて走行していて、その先が見えないでいるドライバーは、簡単に事故に巻き込まれるということを意味する。
- ブレーキング
- 無意味なブレーキングが目立つ。車間を詰めすぎたら、いらぬブレーキングが増えてしまう。へたくそ運転の証明である。
- 停止線
- 停止線の位置は、そこの道路交通事情を考えて引かれているものである。狭い道路で、大型の路線バスが左折してこちらに向かって来るような交差点では、停止線はかなり手前に引かれている。なのに、これを守らないで前に出て停止する乗用車がいる。路線バスが左折してきた時の狼狽ぶりが楽しみ。
- 叱るクラクション
- 東京では、合図をしないで車線を変更したり、交差点の右折レーンなのに直進したりすると、後続のバスやトラックからお叱りのクラクションが飛ぶ。とてもいいことである。地方では許されていることでも、東京では厳密に守らなければならない。それだけ、交通事情が緊張している街だからだ。
- 車間距離
- 車間を安全と思われるだけ十分にとると、時々、追い越した車が入り込んくる。「損した」と考えるか「追い越した車が待避できるように配慮した」と考えるか。年齢と共に、反応時間が長くなるため、自然と車間をあけるようになる。前を行く車の車間が空いている時は、その車のドライバーはご高齢でいらっしゃるかもしれない。
- 右からの合流
- 首都高速では、右からの合流点がたくさんある。そして、合流できないような高速で右側車線を飛んで行く車がいる。おそらく、感受性のどこかに欠落があるのでしょう。合流地点が近づいたら、本線を走行している車両にも、いろいろ考えるべきことがあるのだ。
- 前方に親切
- 前方に親切すぎる人がいる。そういう人は、自分が後方には不親切であることに気づいていらっしゃらない。信号機のない道路上で、対向車に右折をさせてあげる時は、その先の信号機のタイミングを計算に入れよう・・・この意味、わかるね。
- 追い越し
- 追い越しでは、追い越す側のドライバーの運転テクニックよりも、追い越される側のドライバーの運転テクニックが上級であることの方が重要。運転テクニックの貧弱なドライバーは、追い越されそうな時、ちょっとアクセルを踏んでしまったりして追い越す側の邪魔をする癖がある。道交法では、追い越される車の側にも義務と罰則があるのだということを忘れないでほしい。
- また、追い越しをする場合は、後ろにいる車が追い越しをする意思があるのかどうかについても、注意を払って欲しい。後ろの車が追い越しのために、合図を出しているにもかかわらず、割りこむように追い越しを開始するドライバーが多い。とても格好悪い。
- 右折する左ハンドル車
- きっと、交差点の状況がよく見えないのだ。だから、大きく出っ張っている。左ハンドル車は、法律で右折禁止扱いにしよう。
- 右折待ちの位置
- 片側1車線、右折レーンのないの交差点での右折待ち。できるだけ前進して交差点の中央まで進めば、直進車が左側をすりぬけることができる。この計算ができないで、後続の直進車の通せんぼをするドライバーのなんと多いことか。
- 右左折の合図
- 必ず、「ブレーキ」よりも「合図」が先である。右折または左折しようとして、合図なしでブレーキをかけたら、後にはあっという間に団子ができてしまうが、その逆だったら、後続車はスムースに進路を変更できる。
- 進路変更
- 渋滞時の都内では、交差点で右左折したいのに、判断が間に合わずに直進車線にはいってしまうことがよくある。こういう場合、さっさとあきらめて直進すること。無理に車線変更しようとしての衝突事故の危険を増大させてはならない。直進したくて、右左折レーンにはいってしまった場合も同じ。
- 左折のコースライン
- 左折をする時、ハンドルを一旦右に切って大回りするドライバーのなんと多いことか。そんなことをしなくても、車は余裕を持って左折できるのに。一度でいいから、左ドアミラーを下に向けて、ラインの確認をしながら左折の練習をされたらよろしい。これも、へたくそ運転の証明である。
- 渋滞最後尾のハザードランプ
- これは、2つの意味を持つ。ひとつは、自分が高速道路上で停止することを後続車に伝える役目。もうひとつは、自分もそのことに気づいていて減速・停止するから安心なさい、と前の車に伝えるため。あなたが渋滞の最後尾にいて、もし、すぐ後からやってくる車がハザードを点滅させなかったら、そのまま突っ込んでくるかもしれないから、今いるレーンからの脱出を考えなくてはいけない。
- 安全に固定されていない車内の子供
- 論外。その親とは知り合いになりたくないですね。たぶん、趣味も話題も合わないでしょう。
- 駐車違反
- 駐車場料金をけちって、違反駐車をするドライバー。パーキングに払うお金がないなら、もっとチープな車に買い換えて、パーキングに払うお金くらい捻出しなさい。それもできないようだったら、車を手放しなさい。
- バック
- バックする時は、運転席側の窓を開けましょう。確かに、ミラーだけでバックする方が、なんだか運転がうまそうに見える。しかし、窓を開けるのと、閉めたままとでは、後方視界の良さは全然違う。周囲の音にも注意を払うこともできる。見栄を張らずに、より安全な方法を選びたいものだ。
- 雨中点灯・薄暮点灯
- 日本人はやせ我慢がお好きなようで、視界の悪い雨の日も、夕暮れ時も、「まだまだ見える、大丈夫」とばかりライトを点灯なさらない。安全のためにさっさとライトを点灯すればいいのに。それとも、そういう軟弱な姿勢は格好悪いのだろうか。
- 信号待ち消灯
- 赤信号で停車した時、消灯する車が多いが、これは非常に危険。スモールライトだけでは、車の存在を十分確認できない。諸外国では、赤信号での停車時の消灯(スモール点灯)は禁止されている。